30代がAmazonプライムリーディングで介護のエッセイを読んだ

30代ともなるとじわじわ親の介護が頭をよぎりだす。

まだまだ元気といえども、帰省の度に父の薬が増えたり母の白髪が増えていると、いつかは…という気持ちから、来るんだな、と覚悟めいたものを感じる。


でも積極的に情報を集めるにはまだ現実味がなくて、だからエッセイを読むくらいの軽いとっかかりが欲しかったんだと思う。


ちなみに表題のプライムリーディングは、アマゾンプライム加入者なら一度に10冊まで無料で規定のカタログ内の本が読めるというサービス。

アンリミテッドは月額課金制だけど、プライムリーディングはプライム会員なら無料です。(ただし品揃えはイマイチ。目玉商品意外は古い本や一巻のみとか多い)

まあ無料だしね、と割り切る感じで。


見つけたのは2冊で、どっちもよかった。

こちらは上下巻で上巻のみ対象。下巻も買っちゃったけど。


主人公の妻の母の介護のはじまりを描いたコミックエッセイ。車で2時間半の距離に住む母の骨折を機に手術、入院、リハビリ、リフォームと目まぐるしく進行していく。


介護は突然やってくるにもかかわらず、チームで動かなければどうにもならん!ということがよくわかる。遠距離ながら降りかかる現実を夫婦で協力して解決していくのはまさにチームプレー。

そして、映し鏡の様にことごとくボトルネックになる父親も興味深い。どんなに周りがチームを固めても、配偶者が非協力的だとこんなに詰まるんかい!みたいな虚脱感というか何というか。

介護について話し合っておく必要はもとより、相談の仕方やボトルネックになりそうな人の動かし方を知っておくのも大事なんだなと思った。


親が倒れた日から、いつかくる…その日まで。?かぶらぎさん家のケース?

親が倒れた日から、いつかくる…その日まで。?かぶらぎさん家のケース?

こちらは一巻完結なのでプライムなら完全無料で読めます。


まさにタイトルの通り。親が倒れた日から介護、看取りまでの自宅介護を介護者の視点から描いたエッセイ。漫画と文字半々くらいで、実際に便利だったものややっとけばよかったことなとがたっぷり詰まっていて素晴らしい。


特筆したいのは、作者とその母が中心になり、親戚や近所の人、孫、甥姪、友人、病院やデイケアスタッフまで実に20人以上の様々な人が登場すること。


一人ひとりが自分にできるちょっぴりのことを手伝って、時に楽しく時にシリアスに最後の瞬間まで進んでいく。


たった1人を生かすためにこれだけの人が関わることに驚いたし、まとめ上げた作者を尊敬するし介護を受けた父親は幸せだったろうと思うし、しかし介護は1人でできないものだと痛感する。


介護は自宅へ向かう流れになっているけど、どれだけの人がこんな風に介護をしたり受けたりできるだろう。読後にうらやましいと思ってしまうのがちょっと悲しい。


2冊読んで思ったのは介護をするなら時間に融通が利く人が必ず必要ということ。今後の身の振り方を考えてしまう。